2014年1月29日

開発note|スマートデバイス活用 上手く導入するためのポイント

こんにちは。ドリーム・アーツの伊勢川です。前回のコラムでは、スマートデバイスを導入する際、一番のポイントは「何をやるか(導入の目的)」を明確にすることとお伝えしました。そのために必要な視点については「スマートデバイス活用 アイディアを膨らませる4つの視点」をご参照ください。

さて、今回は、それを「どのように実現するか」がテーマです。実現に向けては、考慮すべき点や悩みの種が尽きません。全てを完璧に準備しようとすると、いつまで経っても導入に踏み切れないほどに・・・。

そこで、スマートデバイスの導入が決まったら、次にどのような方法で導入を進めるか「スマートデバイス導入のポイント」をお話します。

小さく始めて大きく育てる

小さく始める

スマートデバイスの業務利用について、世間一般では多くの成功事例を耳にしますが、まだノウハウの蓄積も限定的で技術も発展途上にあり、これをやれば正解というものはありません。他方で、現場のニーズもますます強まっており、用法や技術の成熟をただ待っている訳にもいかないというのが現状ではないでしょうか。このような状況を考慮すると、現時点では、一般的なシステム導入のように、長い年月をかけて要件定義を行い、システム全体を一気に変えてしまうよりも、まずは、小さく始めてノウハウを蓄積し、効果を見極めた上で大きく育てていくのがよいでしょう。ここからは「小さく始めて大きく育てる」際のポイントをご紹介します。

導入効果
  • 現場で素早く試す
  • 効果をヒアリング・測定する
  • 改善する
業務でのスマートデバイス活用

アイディアを形にして、早い段階で一部の現場で試してみましょう。現場で実際に試してフィードバックを得ることで、より現場で役に立つ仕組みに改善していくことができます。中には失敗することもあるかもしれませんが、この段階では無理をして成果に結びつけたり数字を作ったりするのではなく、効果がないと分かったら早期に取りやめ、本当に効果があるのは何か、大きく育てるべきは何かという観点で、ヒアリング・測定を行ってください。

大きく育てる

小さく始めたもので手ごたえがあるものだけを取捨選択し、大きく育てます。

大規模なシステムにする際の5つの注意ポイント
入り口は一つ(ポータル化)
業務アプリが増えても、どこを見て、どういう流れで仕事をすればいいか、一目でわかるように
ログインや端末設定は一箇所で(SSO)
新たに業務アプリを追加する際は、共通アプリ・設定から必要な情報を取得できる仕組みに
デザイン・UIの統一
どの業務アプリも同じような操作感で使えることで、学習コストを低減
データ連携
社内の業務システムのデータにアクセスでき、オフィスに戻らなくても現場で仕事ができるように
機能独立
それぞれの機能が独立し、独自の成長が可能。それらの組み合せで、より新しいものが生み出せるように

システムを大きく育てる際は、すべての業務を一つに盛り込むか、それぞれ独立したシステムとして実現するかで道が分かれます。大きなシステムは変更にコストがかかりやすく、システムが硬直化しやすいこと、小さく始めたシステムをそのまま別の業務に拡大していくとひずみが生じやすいことなどから、可能な限りそれぞれ独立したシステムとして実現するのが理想です。その場合、上記5つのポイントに配慮することで、ユーザが迷わず、効率的に、望ましい流れで仕事ができるようになります。

「セキュリティ」は、仕組みとルールでコントロール

最後に、「活用とセキュリティのバランス」を考えてみましょう。現場で自由に使ってもらうと、いろいろな活用アイディアが出てくるため、小さく始める際は、「活用」面を重視し、大きく育てる際に、「セキュリティ」面を強化するのがよいです。 ただ、セキュリティやルールを強めすぎると、利便性が損なわれ、活用がされなくなってしまう恐れもあるため、守るべきものを見極め、業務やデータの性質に応じてバランスを探っていきましょう。

著者より一言

2回にわたる連載コラムを最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ドリーム・アーツでは、多くのお客様と苦楽を共にする中で、上記ポイントに配慮したシステム作りができるようになってきました。また、それらを仕組化したプラットフォームの開発にも着手しており、形になりつつあります。もし上記でお困りの場合は、どうぞお声かけください。

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