CWOの前川が綴るコラム-現場からの「協働革新」 2020年4月23日

ビデオ会議での上半身映えを狙う

ハンコ文化の裏側にあるもの

自宅勤務になっては1ヶ月近くになるが、毎日全く外出もできないなんて、これはもはや軽い刑務所のようなものである。さらに我が家には、体力が有り余るがゆえに一日中大きな声で騒ぎ回っている6歳の女の子と、意味もなく奇声を発しながら全てを無茶苦茶に破壊して歩く怪獣のような1歳の男の子が生息しており、彼らと毎日朝から晩まで家の中で過ごすのはかなり辛いものがある。

確かに、このような状態が毎日休みなく続くのだとすると、子供を持つママ達にストレスが溜まるのもよく理解できる。そりゃちょっとでいいから自分だけの時間が欲しくもなるよね。特に朝と夕方は毎日が戦争で、僕のイライラは最高潮に達しているので、できることなら朝夕の時間帯のミーティングはパスしたい気分である。

そんなイライラをできるだけ仕事に持ち込まないように、少しでも家の仕事環境を良くしたいと思ってはみるものの、都内のマンションで子供2人を持つお父さんに快適な書斎などあろうはずもない。なんと僕の仕事机は電子ピアノの鍵盤の上であり、椅子はDWのドラム椅子なのである。これは決して趣味が仕事を兼ねている状態とは言わない。それでも僕の中で「形から入る虫」が騒ぎ始め、さほど必要とは思えないテレワークグッズを連日のようにAmazonで買ってしまうのである。

まずは映像。ビデオ会議に映る顔色が悪くては、イライラ感満載の表情が余計に強調されてしまうので、家にあったやたらと明るいデスクライトをピアノの上にセットして顔をライトアップしてみたら、鈴木その子ばりに美白効果抜群で、結構ピッタリはまった。照明はこれで良しと。しかし、こうなるとパソコンの内臓カメラよりも映像品質の良いWebカメラが欲しくなった。現在、ロジクールの「C922n」を買おうかどうか迷っている。

次にマイク。ビデオ会議ではついついパソコンに向かって必要以上に大きな声で話しかけてしまい、「家中に大きな声が響き渡っているよ」と家庭内苦情が寄せられた。さらに「ちょっと態度が偉そうじゃない?」とか余計な口出しまでされる始末である。そもそも会話の音質が悪かったりノイズが入ったりして、通話の相手からも「ちょっと声が聞き取りにくいです」と言われたりもしていたので、単一指向性のコンデンサマイクを導入してノイズ除去と音質の向上を狙うことにした。ピンマイクも考えたのだが、Youtuberの比較レビューを参考にしてコスパ抜群と評判であった「FIFINE K670」を購入することにした。

そしてスピーカー。リモートワークが始まると同時にマイク付きのイヤホンを買ったのだが、僕にとってヘッドセットやイヤホンで耳を塞がれるのはどうにも心地が悪い。それでなくても閉塞感が半端ないのに、余計にストレスを感じてしまう要因の一つである。しかしパソコン用のスピーカーは邪魔になって昨年末の大掃除で捨てたばかりである。そこで、ずっと放置してある僕が就職した古いDENONのスピーカーをパソコンの音声出力に利用することにした。古いAV機器は時代の流れと共に使えなくなるが、唯一アナログ世界との接点であるスピーカーだけは時代とは関係なく使えるはずである。

ということで、これもYoutuberのレビューで評判だったBluetooth対応のミニアンプ「ELEGIANT F900S」と、ケーブルをスマートに接続する優れものバナナプラグをセットで購入することにした。ただし、このスピーカーをビデオ会議用の音声出力に使うのは明らかにToo Muchであり、これは無駄な出費と言えるだろう。

最後にビデオ会議の背景画像。社内のデザインチームが会社のロゴが入ったカッコいいビデオ会議用の背景画像を作ってくれた。ビデオ会議で社外の人とミーティングする機会が一気に増えたことでもあるし、どこかよく分からない風景写真を背景にするよりずっとクールである。これならここが洗濯物を干してるピアノの上とは誰も思うまい。

なにしろ外出自粛の期間を我慢して過ごすより仕方ないとは思うが、この状態が長期化するのは相当辛いので、少しでもストレスを低減できるように自分の環境を整えていくしかない。
次は密かにピアノの大きさにピッタリはまるディスプレイが欲しいと思っているのだが、こんな形で僕がピアノを長期間占拠すると、家庭内で立ち退き運動が勃発するのではないかと恐れているところである。
そもそもパソコンが買って5年経ったので買い替えたいし、回線はNURO光に乗り換える工事待ちだし、そうなるとネットワーク機器もWifi6に対応しなくちゃいけないし…
これは思わぬ出費が続きそうで、家庭内テレワーク助成金の申請が必要な状況であるが、助成の対象として認可してもらうためには、購入するグッズが自宅勤務に不可欠であることを証明するエビデンスをカミサンに提出する必要がありそうである。

プロフィール
前川 賢治
株式会社ドリーム・アーツ 取締役 執行役員 兼 CWO(チーフ・ワォ・オフィサー) 前川 賢治(Kenji Maekawa)
  • 大型汎用コンピュータ向けソフトウェア製品の輸入商社である株式会社アシストにおいて、製品開発を担当。 1996年にドリーム・アーツ設立に参画。
  • 本コラムでは、バブル後の大不景気を経て企業体質も健全化に向かっている現在、より現場力を高めるために「人」の「協業」をいかに支援し、革新していくべきかを考えます。

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