
42 Tokyo × ドリーム・アーツ「42時間耐久 'Tuning the backend' Contest 2024」レポート セキュリティ意識を高めるCTO直下の1Dayインターンに優勝チームが挑む!
2024年7月26日から3日間にわたって開催された42 Tokyo × ドリーム・アーツ『42時間耐久 “Tuning the backend” Contest 2024』(以下、TtbC2024)。「TtbC2024」は、2022年にドリーム・アーツが42 Tokyoのパートナー企業になって以降、毎年開催しているイベントで、今年で3度目となります。今年は過去最多の76名の42 Tokyoの学生たちが参加し、42時間の開発に挑みました。
今年は初の取り組みとして、優勝チームに「石田CTO直下の1Dayインターン参加権」が与えられました。本記事では、イベントの様子と優勝チームが体験した1Dayインターンについてご紹介します。
リアルなエンジニアの現場を体験、42時間でのパフォーマンス改善に挑む
TtbC2024では、「レッカー車配車サービス会社がSaaS型配車管理システムを導入したが、3年後にパフォーマンスに関するサポートへの問い合わせが急増した」というシナリオで、42時間のタイムリミットの中、次々と発生するエラーに対処し、パフォーマンスを改善するという課題に取り組みました。
大企業向けのクラウドサービスを提示するドリーム・アーツならではのリアルなシナリオで、学生たちは実際のエンジニアの業務で直面する課題を体験することが可能です。
ランダムに組まれたチームで課題に取り組むため、初対面のメンバーとの協力が求められます。次々と起こるシステムエラーに対し、42 Tokyoでの「ピアラーニング(学生同士が教え合い学び合う学習方法)」で培ったコミュニケーションスキルを生かして限られた時間の中で議論を重ね、一つ一つ課題をクリアしていきました。時には一度書いたコードを全て崩し、メンターへアドバイスを求めに行く姿もみられました。
開発中は、42 Tokyoで学んだ後ドリーム・アーツに入社したエンジニアがメンターとして学生たちをサポートし、技術的な質問への回答や、開発の進め方に関するアドバイスを行っていました。
ードリーム・アーツ 作問者:和田
「今回で3回目となるコンテストで今まで以上にこだわりを持った点も多く、準備の時間も含め大変でした。ただ、これだけ大変なことをもう足立(もう1人の作問者)と2人でやりきったことは自信に繋がりましたし、42 Tokyoの生徒さんにも真剣に取り組んでいただいたことは大変嬉しく思います。非常に良い経験をさせてもらいました。ありがとうございました。」
ドリーム・アーツ作問者(足立・和田)でルール説明をしている様子
42時間の開発期間を経て、審査が行われました。2位と740点差をつけ46,830点を獲得し、優勝したのはチームsnake。閉会式では大きな拍手で迎えられ、CTO石田のもとで1Dayインターンに参加できるという特典が与えられました。
CTO直下で学び、活躍するエンジニア像をつかむ
2024年10月、優勝チームの3名の学生が株式会社ドリーム・アーツのオフィスを訪れました。
日本を牽引するエンジニア像をより具体的に持ってもらうため、CTOが直接研修を行っていきます。丸一日CTOと過ごす経験は、社会人でもあまりないのではないでしょうか。
インターンのスケジュールは以下のとおり。
10:00 集合
10:00〜12:00 課題説明・情報収集
12:00~13:00 ランチ会
13:00~18:00 コンテンツ企画
セキュリティ意識を再定義する――危機感から生まれた研修テーマ
まずはCTO石田から、インターンの内容が発表されました。
インターンのテーマは、「情報セキュリティの研修コンテンツの作成」です。
このテーマの背景には、ドリーム・アーツが過去にサイバー攻撃を受け、脆弱性攻撃へのセキュリティ体制やセキュリティへの理解と意識に関する危機感を抱いたことにありました。結果として当時は無事だったのですが、日頃のニュースを見てもサイバー攻撃は身近な問題だと感じさせられます。
CTO石田はハッカーらによるサイバー攻撃への危機感について、学生たちに対し、次のように話しました。
「我々はセキュリティに関してそもそも置かれている立場が脆弱であって、油断・慢心することがないように気を付けなければいけない」
セキュリティ意識への危機感を再確認し、ドリーム・アーツは今年「DreamArtsセキュリティ憲章」を制定。
しかし、石田はCTOとして、セキュリティへの配慮が個人に委ねられていることに課題を感じていました。
「僕がリアルに感じている課題は、システムの設計や開発面におけるセキュリティへの配慮が、個々人へのスキル任せなことです。組織的にセキュリティ意識を高めるトレーニングや基準はちゃんと決まっていませんでした。」
これを受けて、今回学生たちはWebアプリケーションを開発するエンジニアとして、新卒から3年目のエンジニアを対象にした情報セキュリティ研修を企画することになりました。
情報セキュリティと攻撃パターンの情報を集め、研修の難易度や面白さ、カバーすべきセキュリティパターンの網羅性など、さまざまな要素を考慮しつつ、内容を設計します。セキュリティを重視しているドリーム・アーツだからこそ、CTO自らと共に研修内容を考案するという点が重要なテーマとなっています。
セキュリティ設計に学んだ現場のリアル
まずは、脆弱性攻略の情報を集め始めました。
ーインターンに参加した学生
「午前中はOWASP Juice ShopやTry Hack Meといったセキュリティについて学ぶことのできるツールで脆弱性学習環境の情報収集を行いました。特にOWASP Juice Shopは初めて知るツールでしたが、さまざまな脆弱性を体系的に学べる点や、ゲーム感覚で取り組めるのが印象的でした。」
学生たちは、初めて触るソフトに初手から大苦戦。どのように見ればいいかもわからず、CTO石田から「まずは解説サイトを見るといいよ」とアドバイスをもらい、早速解説サイトや動画などを見ていました。
情報収集を始めて30分、学生たちは慣れないコードに苦戦してなかなか先に進めずにいました。
それぞれが調査した脆弱性攻略サイトの情報を集約して、どのサービスを研修コンテンツに利用するかを議論します。
初めて触るサービスだからこそ感じるメリットやデメリットを率直に話し合いました。
利用するサービスを決めると、研修の具体的な流れや学び方について議論し始めました。しかし、初めての経験のためどのように研修の設計を行えばいいのかがわからず、議論がなかなか進みません。
普段はソフトウェア開発を行う学生が、エンジニアが開発や設計を行う上で必要なセキュリティ意識を高めるための施策を考えるというのはかなりハードルの高いものでした。
学生の議論が停滞する中で、CTO石田が企画に必要な要素や視点を教えます。普段はセキュリティ研修を受ける側だからこその視点で、楽しく学びやすい研修とは何かについて考えてほしいという狙いがありました。
ーインターンに参加した学生
「エンジニアのインターンはコードを書いてレビューするという内容を想像しますが、今日はかなり実務に近いことをやってもらいました。エンジニアでもリスクをどのくらいで見積もって、適切な予算管理・経営をするのかは考えなければいけないんです。」
経営者としての視点もエンジニアには必要だということを実感する学生たち。石田のアドバイスのもと、研修コンテンツを実際に実行できる内容にするために、実施方法やタイムスケジュールまでを詰め、最終調整を行います。
研修コンテンツ完成!CTO直下のインターンで得たもの
そして、研修コンテンツが完成。形になった設計図を見て、全員がようやく安堵した様子を見せました。
最後にCTO石田と学生にインターンを振り返った感想を聞いてみました。
ーCTO 石田の感想
「今回、CTO直下インターンということでエンジニアのキャリアとしてマネジメント層がどんなことを考えているのか、どういうマインドを持っているのか、リアルな仕事の一端を担ってもらうことで少しでも身近に感じてもらえたのではないかなと思います。自分ひとり分のアウトプットでは上限がありますが、組織で協創する環境を作り出すことができれば、より大きな成果をもたらすことができます。
今回をきっかけにこういうキャリアについても身近に考えてもらえたらいいですね。
ーインターンに参加した学生の感想
「実際に研修の企画を行う立場になったことで、『いかに参加者全体の習熟度を担保するか』や『研修内容の選定根拠』など、研修に参加するだけでは見えていなかった背景について考えることができました。今後は研修に参加する際にも、企画された意図を意識して取り組みたいと考えています。」
次世代エンジニアの可能性
今回初の実施となったCTO直下の1Dayインターン。CTO石田の経験や考え方に直に触れるという経験は、今後日本を牽引するエンジニアを目指す42 Tokyoの学生たちにとって、視野を広げ、社会で活躍する姿を具体的にイメージできる機会となったのではないでしょうか。
現代のエンジニアに求められるスキルは、プログラミングだけでなく、組織作りやビジネスサイドとのコミュニケーションまで多岐にわたります。求められるスキルが高度かつ多様化している現代だからこそ、今後の成長に大きな影響を与える経験になりました。ドリーム・アーツと42 Tokyoは、次世代の優秀なエンジニアを育成し、社会の発展に貢献できるよう取り組んでまいります。
プロフィール

ドリーム・アーツHR
大企業の協創力を高めるITソリューションの企画・開発やコンサルテーションを行う、ドリーム・アーツのHRチームです。